電車はなぜぶつからない?知られざるその仕組み

皆さんが普段何気なく使用している公共交通機関の代表格といえば「鉄道」ではないでしょうか?

利用している電車が、トラブルなく目的地に到達できるのはなぜだと思いますか??

優秀な社員がしっかり操作しているから?とか、自動だから!とか沢山出てくるかもしれません。

しかし、それもあながち間違ってはいませんが実はそれだけではありません。

鉄道は「システムによって守られ、それを操る我々がルールを守っている」からなんです。

電車はあくまでも機械です。機械を操作するのは「人間」です。

人間は、様々な要因が絡んでミスを犯したりします。

いくら完璧であっても、ふと気が緩んだ時に誤った取り扱いを犯し起きてしまうのが「事故」であります。

ルールを守っていても気の緩みで簡単に事故は起きてしまうのです。

そうならない為に、我々は定められたルールを愚直に守り安全を維持します。

ひとたび事故は起きると凄惨な結果をもたらします。

鉄道の歴史を紐解いていくと、取り扱いのミスが原因による「ヒューマンエラー」によって起こされた「事故」が沢山あります。

※事故の歴史については、また別な時に書かせていただきます。

今日の鉄道は、様々な事故と払った犠牲から得た教訓と対策によって今日の安全輸送が確保されています。

我々鉄道員は、その過去の教訓から学び二度と同じことを発生させない為に様々な対策を立てて事故が発生しない仕組みを作っています。

私たちは、それを愚直にそれを守り日々の業務に取り組んでいます。

ちなみに、現代の日本での鉄道事故は一昔前に比べ減少傾向です。

これは時代が進むにつれ、様々な安全を確保する仕組みが出来てきている為でもあります。

今回は、その安全を確保するための装置の安全装置と仕組み「保安装置と閉そく」についてです。

電車はなぜぶつからないのか?

東京都心では山手線が3分に1本ペースで、待つことなく次から次へと電車が時間通りにやってきます。

都心の電車の運行頻度には感服されられます。

新幹線も待つことなく、すぐに気軽に乗ることが出来ます。

なぜこのような運転ができるのか?

これは、保安システムによって電車との間隔を制御されているからなんです。

このシステムなしに人間が電車との間隔を3分ごとに動くことを維持することは不可能です。

3分に一本ペースを人間の感覚便りにすれば、きっと毎日どこかで衝突事故が起きるでしょう。

鉄道の取扱いとして、人の感覚に頼る運転は「システム故障時の最後手段」です。

ですので、最終手段はあらゆる取り扱いを求められ安全が確保できない限りまず行いません。

システムトラブルや、自然災害などで特殊な取り扱いを求められない限り、人間の感覚頼りで運転することは非常に危険です。

では、どの部分で保安システムが構成されているのか?これから説明していきます

1列車1区間の原則「閉そく」

鉄道にはお互いが同じ区間に入ってはいけない間隔が存在しています。

それは一般的に「閉そく」と呼ばれているものです。

閉そくとは・・・鉄道における衝突事故を防ぐための保安システム

鉄道には衝突事故を防ぐために1列車1区間の原則である「閉そく」が必ず設けられています

※補足「閉そく」区間を通行する許可を出す通票というものがあるがここでは割愛

これが無いとどうなるのか??次に続きます

自動車とは違う!止まれない電車

例えば、自動車を運転していると想定してください

そこで、見通しの悪いカーブの先で前を走る車が急に止まったとします。

それを認めたあなたは、ブレーキをかけるわけです。

しかし、ブレーキだけでは間に合いそうにありません。

ハンドルを回して何とか回避し無事に回避することが出来ました。

しかし、鉄道で同じことが出来るのか?

それは出来ません。

これが鉄道のデメリットであります。

自動車と違い、ブレーキとアクセルしか付いていません。

ハンドルもありません。レールに沿って走ることしかできません。

仮に、あなたが感覚だけで運転していたとします。それで、見通しの悪いカーブを通過しているときに前方に停止している電車を認めました。

当然ブレーキをかけます。しかし、それだけは間に合いそうにありません。

するとどうなるか??間に合わず衝突してします。

鉄道のブレーキというのは自動車と違い、効きはよくありません。

一般的に鉄道車両は非常ブレーキで600m以内に停止できる設計がなされています。自動車とは大違いです。

回避行動がとれないのとブレーキが効きにくく、視界に入ったときにもう間に合わない可能性が高いのです。

その信号の表示に従って運転するのですが、万が一運転士がその信号機の表示に反した行動をとった場合や何か異常が起きたときに信号機を通過してしまう可能性があります

もし、前方に電車がいるにも関わらず「閉そく」区間を超えて運転するとどうなるのか??

間に合わず衝突します。

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鉄道の「保安装置」とは

先ほど述べた行き過ぎを防ぐために、保安装置というものがあります

それに使う保安方式の種類ですが、主に3つほど紹介させていただきます。

保安
方式
保安方式の機能鉄道
ATS自動列車停止装置 信号機の表示(現示)
に従い、列車を減速させたり停止させる装置を指す
在来線
ATC自動列車制御装置 車内信号システム 
レールに電流を流しその電流を電車が受け取り、
車内に信号を表示させ列車の間隔を制御する装置
新幹線
一部在来線
ATO自動列車運転装置 
ボタン一つで加速・減速・停止を
自動的に行う装置運転士は一切運転しない装置
地下鉄、
新交通システム

これが、日本の鉄道で使用されている信号保安システムです。

他にもたくさんあるのですが、紹介しきれないので代表例2つを図で紹介します。(※ATOについては自動運転の為、割愛)

まず保安装置の代表として「信号」があります。

自動車の信号とは少々解釈が異なります

  • 青・・・進行(前方に電車なし)
  • 黄・・・減速せよ(速度は会社により違うが50km程度)
  • 赤・・・停止せよ(前方に電車有)

表示する信号機は在来線全般で採用されています。

他にも信号表示の種類はありますが、ここでは3つのみとし、運転士はこれを守って運転しています。

しかし、赤信号が出ていても物理的に止める装置が無いと実は運転士に何かあった場合止めることが出来ません。

赤信号を超えてしまうと閉そく区間に入り、先行列車に衝突してしまったり

停止しきれなく本線を支障し、事故を起こしてしまいます。

※赤信号にも関わらず停止できなかったことがきっかけで起きた事故では三河島事故があります

その閉そく区間に入るのを防止するために「ATS(自動列車停止装置)」があります。

ATS(自動列車停止装置)

これは、表にも書いてありますが電車の速度を減速させたり、停止させる装置です。

これがあると、もし赤信号が表示されていて運転手が気付かずに通過してしまいそうになった場合、衝突を防ぐために非常ブレーキを出力する装置がレールの上に設置されています(ATS地上子)

それが電車に「ブレーキをかける信号」を送信します。

これにより、万が一見落していたとしてもATSが作動して非常ブレーキにより電車が停止し、衝突を防ぐことができます。

この方式は、主に在来線全般で採用されています。

他にもパターンを発生させたり等と高性能化しているのですが説明が長くなってしまいます。興味のある方はお調べください。

ATC(自動列車制御装置)

次はATCについてです。

これは自動列車制御装置と呼び、俗にいう車内信号方式といいます。

主に、新幹線の高速鉄道や一部の在来線で採用されています。

高速鉄道の採用例では、日本で一番最初にできた東海道新幹線がATCの始まりとして、いまや全国の新幹線でATCが採用されています。

これは、高速走行中に信号機を視認することが不可能であることと停止距離が長くなり(※新幹線は約270kmの走行から停止に約4キロほど必要になります。)信号機近くに停止できない為です。

先行列車との距離や様々な条件が合わさり信号(その区間で出せる速度)が決定したうえで列車の制御を行います。

その列車の距離が開いていれば、高い速度域で走り、先行列車が迫っている場合は減速したり、停止します。

最後に

電車がぶつからないのは保安装置が正常に動作し、日々の鉄道運行は安全に運行できているからです。

鉄道の運行には、たくさんの知恵と労力がかけられています。

信号機能を維持するのも、我々の整備の仕事でもあります。

皆様が電車に乗られた際は、ぶつからない理由について述べているこの記事を思い出していただければ幸いです。

以上で終了します

ご覧いただきありがとうございました。

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